医療関係者の皆様からのご紹介について
当院ではBKP治療が必要な患者さんのご紹介をいつでも承っております。ご紹介いただける場合は下記までご連絡ください。
脊椎圧迫骨折の患者さんに対しての治療はコルセットやギプスを装着し、ベッドの上で安静にして過ごす、保存的治療法が一般的です。保存的治療法は長期間ベッドの上で過ごすため、著しい筋力低下、認知症の発生や椎体変形の進行等のリスクが問題点として挙げられています。
そこで下井病院は、アメリカで開発された経皮的椎体形成術 BKP(Ballon Kyphoplasty:バルーン カイフォプラスティ)治療法の導入を決定しました。カイフォは「後弯」、プラスティは「形成する」という意味です。BKPは脊椎圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体をバルーン状の手術器具や骨セメントで骨折前の形に近づけ、椎体を安定させ、痛みをやわらげる治療法です。この治療法は、世界で100万件以上の脊椎圧迫骨折に対して行われており、日本においては、2011年1月より公的保険が適用となった比較的新しい治療法です。
痛みを早く取りたい
再発を予防したい
入院期間を短くしたい
早く元の生活に戻りたい
BKP治療法を受けられる病院は、下井病院をはじめとする、脊椎外科の専門知識を持った医師が特定のトレーニングを終了し、必要な設備の整った施設に限られています。
脊椎圧迫骨折の主な原因は「骨粗しょう症」です。「骨粗しょう症」とは骨密度が低下して骨がスカスカになり、骨折を起こしやすくなる病気です。骨粗しょう症の原因には、遺伝、加齢、生活習慣、閉経、内分泌疾患、薬の副作用などがあります。日本における骨粗しょう症の患者数は2005年の推定で1,280万人と言われています。特に加齢による骨密度(骨量)の低下は、程度の差はありますが、誰にでも起こりえます。女性においては閉経後10年ほどの間には骨量は著しく現象し、骨量減少あるいは骨粗鬆症と判断される領域へと進行することになります。
骨粗しょう症になると骨折しやすい部位は椎体、手首、太ももの付け根です。背骨は24個の小さな骨で構成されており、直立姿勢で過ごすだけで、背骨には負荷がかかっています。若い方では交通事故などで脊椎圧迫骨折を起こしますが、骨粗しょう症で骨がもろくなっていると、くしゃみなど日常生活のちょっとしたきっかけでも負荷に耐えきれなくなり椎体がつぶれてしまうことがあります。日本では70歳代前半の25%、80歳以上の43%が椎体骨折を経験しています。
骨折時に背中や腰に激しい痛みを感じるのはおよそ3人に1人といわれており、背骨を骨折しても痛みを感じない、いわゆる「いつの間にか骨折」をしている人も少なくありません。骨折に気づかない場合でも、そのままにしておくと背骨の変形による筋肉の負担から腰の痛みが出ることがあります。また、通常のレントゲン(X線)撮影のみでは骨折の診断が困難な場合があることから腰痛と診断されてしまう可能性があります。レントゲンは椎体の変化を診断する上で基本的な画像検査として重要ですが、変形の軽微な骨折の有無や他の病態との鑑別にはCT、MRIなどの画像検査が有用です。
椎体の変形が進行すると、BKPでは変形の矯正が困難となります。早めに医療機関を受診することをお勧めいたします。
脊椎圧迫骨折は身体にも日常生活にも様々な影響を及ぼします。保存療法が奏功しない場合、脊椎の変形の進行や痛みの残存などによるADLの低下、遅発性神経障害を合併する症例があります。痛みは、安静にしていると治ることもありますが、それだけではつぶれた椎体は元の形には戻りません。つぶれた椎体をそのままほうっておくと、背骨全体のバランスが崩れて行き、他の椎体にかかる負担が大きくなります。そのため、背骨がひとつ折れると、1年以内に次の骨折が発生しやすくなります。
脊椎圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体を、骨折前の形に近づけ、椎体を安定させ、痛みをやわらげる治療法です。BKP治療には、バルーン(風船)状の手術器具や医療用の充填剤(骨セメント)を使用します。従来の椎体形成術のセメント漏出率の低減とつぶれた椎体高の回復を目的として工夫された手法です。
※1 原発性骨粗鬆症による1椎体の急性期圧迫骨折で、十分な保存加療によっても疼痛が改善されない症例。
※2 多発性骨髄種又は転移性骨腫瘍による3椎体までの有痛性脊椎圧迫骨折で、既存療法に奏功しない、又は奏功しないと考えられる症例。
BKP治療は、手術の侵襲が少なく、短時間の手術(約1時間以内)で早期に痛みの軽減が得られ、歩行してよくなること、生活の質(QOL)の向上が期待できることです。
BKPは、専門のトレーニングを受けた先生が手術をされますが、ほかの手術と同様、患者さんの状態により手術を受けることによる一般的なリスクや、骨セメントを使用することにより発生するリスクなどがあります。 また、他の骨も折れやすくなっている場合には、更なる骨折を防止するための骨粗しょう症の治療やコルセット治療が必要です。 詳しくは、担当の先生にご相談ください。
BKP治療の手術は全身麻酔をして行います。 ベッドにうつぶせに寝た状態で背中を2ヶ所(1㎝程度)切開し、手術にはレントゲンの透視装置を使用します。
退院後は、手術後の骨の状態を診るため、定期健診を行います。 手術を受けたところや、その周辺に痛みが再発した場合は、すぐに担当の先生にご相談ください。
また、骨粗しょう症の患者さんは、脊椎圧迫骨折の手術とは別に、骨粗しょう症の治療と定期的な健康チェックが必要となります。
※ 回答は、一般的な例について述べたものです。患者さんの病状や状態によっては、必ずしも回答と一致するとは限りません。詳しくは担当の先生にご相談ください。
2011年1月から適用されています。また、高額医療費制度の対象にもなります。負担の上限額は、年齢や所得によって異なります。
骨折した骨の数や形、全身の健康状態等によっては、 BKPを安全かつ有効に行なうことができないためにBKP治療の対象とならない場合もあります。
主な禁忌・禁止事項等は以下になります。
当院ではBKP治療が必要な患者さんのご紹介をいつでも承っております。ご紹介いただける場合は下記までご連絡ください。
東京都指定二次救急医療機関として急性腰痛や骨折などお怪我された患者さんを24時間体制で受入れを行っております。
内科疾患・整形外科疾患を持ちながら「通院できない」という方々のご自宅へ専門医が診療に伺うサービスです。下井病院では精神科専門の医療機関との連携により、内科疾患・整形外科疾患はもちろん、認知症や心の悩みに関しても専門の治療を受けられます。
テストステロンの低下は男性更年期障害をはじめ、男性性機能の低下や肥満及び筋肉が付きにくくなる原因となります。 当院では加齢に伴って減ってしまったテストステロンを補充することで男性更年期障害を改善させ、若さを取り戻す外来を開いており、中高年の男性に大変喜ばれております。
理学療法士が患者様の動きに合わせて作製します。問診から始まり、足部の状態評価、歩行分析を1時間以上かけて行います。テーピングやパッドを用いて0.3㎜単位でインソールの凹凸の高さを調整していきます。そのため、市販のものでは出せない効率の良い動きや関節にストレスの少ない動きを引き出す事ができ、痛みの軽減や歩きやすさの改善が期待でき、多くの患者さんに喜ばれております。